医療

博多へ行ってきました。 その4

ところで、博多へはそもそも何をしに行ったのか・・・?

そうです、学会に参加したんですcoldsweats01

最終日の日曜日は朝8時~の講演から4演題をまじめにきいて
まいりました。

教育研修講演ですので超エキスパートの偉い先生方による
ものが目白押し。アップ・トゥ・デートな話題から基本にかえった
話題まで楽しく拝聴しましたよ。

そのなかでも日々仕事をしていてよく使用する骨粗鬆症治療薬
の話がとても印象的でした。

数字にして示されるとえっと思いますが、大腿骨頚部骨折という
股関節部の骨折があります。骨が脆くなることによって起こりやすい
骨折の一種で、高齢者が転んで歩けなくなったときにはまず疑う骨折です。

この骨折をした後の5年生存率(5年後存命である確率)は
どのくらいと思いますか?

50%なんですね。

がんを患うよりも高いかもしれません。

これは骨折後に寝たきりや日常生活への支障などが影響して
体力が落ちるためと言われています。

こういう骨折を予防するためにのむのがお薬。

薬の種類によって多少の差はありますが、骨折のリスクを半分程度
まで下げることができます。ただし、飲み続けなくては意味がありません。
3か月くらいから骨塩量が増加し始めると言われています。
でも、増加した量を維持できるようになるには最低でも3年くらいは
かかるようです(あくまでも個人差があるのですが)

世の中にはものすごい種類のお薬があって、痛みどめなどのんで
効き目を実感できるものがある一方で、骨粗鬆症のお薬など、のんでも
効き目を自覚できるとはいいがたいものもあります。

骨折の経験がある方ならば、「痛い思いはもう嫌」と、飲み続ける
モチベーションを保ちやすいのですが、漠然とすすめられて漠然と
飲んでいるという方はドロップアウトしやすいのが現状です。

まぁ当然ですよね。

ドロップアウトしないように努力するのが我々の務めと再認識
したのでした。

・・・・とても久しぶりに真面目な話をしました。

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巻き爪矯正

足のけががきっかけで足爪を剥がした後、またはハイヒールや
幅の狭い靴を日常的に履いた結果、巻き爪になることは
よく知られています。

爪の端が肉にくいこんで、体重をかけたり触れたりするたびに
とても痛い!

また、そういう日常的な機械的刺激がある部分は、どうしても深爪
してしまい、その結果細菌やカビ菌の感染もおこりやすいので
赤くなって膿が出たりしやすいのですね。

従来は、爪のくいこむ部分を剥がして、爪をつくる組織から切除する
手術方法がとられてきました。

ところがこれがとても痛いのです。
麻酔をして手術しても、麻酔が切れてから創部が乾くまでの数日間は
(場合によっては数週間)多かれ少なかれ痛みを伴い、また足指を
濡らせないので大変不便です。

また、爪の幅が狭くなってしまうため、コスメティックな面でもマイナス
ですね。

この痛み、不便さを克服した方法が、爪矯正。

形状記憶合金(チタン・ニッケルの合金で、入れ歯や心臓のステント
にも使われている安全性の高いもの)のワイヤーを使って、巻いたり
下を向いた爪を矯正します。

当院での一例です。

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矯正前

021

矯正後1か月の状態です。

この方は爪が柔らかいため、矯正して数時間で痛みが消えた
そうです。

感染の強い方や深爪している方には行えない場合がありますが、
からだへの負担が少なく、とてもよい方法だと思います。

通常1~2か月に一度、爪切りをしてワイヤーをかけなおします。
生えている爪の半分程度まで矯正できたら終了とすることが
多いようです。

残念ながら、保険診療では認められていない方法です。

しかし、消毒のための頻繁な通院や足を濡らせない日常での
不便さを考えると、金銭的な負担は手術方法とはかわらず、
時間的な負担はずっと軽くなるように思います。

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痛いときにはどうする?

当院は整形外科なので、関節痛の人、腰痛の人、つまり
「痛い」人が多く来院されます。

「痛い」といっても、理由はさまざま。

10年以上前から腰が痛い、昨日転んでひざをぶつけた、
さきほど包丁で手を切った・・・・などなど。

相応の処置をしたあと、よく聞かれることがあります。

「こういうときって、温めたほうがいいんでしょうか?
冷やしたほうがいいんですか?」

たしかに、

「冷やすとよくないよ」「氷嚢を乗せて冷やしたほうがいいよ」

色んな説を聞いたことがあるけど、肝心の「どんなとき」に
そうするべきなのかがわからない。

これまた私見ですが、いっぱんに症状の経過は「急性期」「慢性期」
に分けられます。

急性期→冷やす、炎症反応を広げないように安静にする

慢性期→温める、循環を促すように動かす

これが大原則だと思います。

つまり、けがの場合は受傷後数日は急性期なので冷やし、その後より
温める方法に切り替える、という具合です。

足腰が痛いといった関節痛は慢性の症状のことが多いため、
「冷やさないようにしましょう」と言われることが多いです。
大部分がそれでOKですが、たまに温めて悪化することがあります。

それは「慢性疾患の急性増悪期」というもので、
ずーっと痛かったけれど、最近ズキンズキンと静かにしていても痛い、
痛くて眠れない、動けない、こんなときは温めることが悪化の原因に
なるので注意です。

自分では判断できない、わからない場合は整形外科を受診して判断
してもらうのが一番ですが、簡単に認識できる方法があります。

「お風呂に入ったあと、痛みが軽くなるかどうか」

軽くなるようでしたら温めて循環を促進させることが、今のからだに
適した対処法と言えると思います。こういうときには、マッサージや
電気療法、ストレッチなども効果的です。

逆にひどくなるようであれば、冷やし、安静にすることがよいでしょう。

以前、シップの種類のときに書いたことと一緒です。
つまり、
やってみて気持ちよいほうを選択すれば、まず間違いありません。

画像が載せられないので、まじめなお話でしたcoldsweats01

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骨粗しょう症の治療薬

今晩は市内で骨粗しょう症の講演会があり、聴きに行って来ました。

骨密度を上昇させる効果があると証明されている薬、「ビスフォスフォネート
のお話でした。

最近ではカルシウム剤などよりもずっと処方されている薬です。

朝、起きたらすぐに飲む。

180ccの水で飲む。

飲んだら30分は横にならない。また飲食は控える。

といった、飲み方が大変うるさいお薬ですね。

こんなに飲み方に制約があるにもかかわらず、なぜそのように飲まなければ
ならないのか、きちんと説明される機会が少ないように思います。

①とても吸収の悪い薬だから、もっとも吸収されやすい起床時にのみます。

②食道に着くと薬の作用で荒れることがあるから、十分量の水で飲みます。

③食道への作用が心配なくなる30分を横にならないようにします。

④やはり、吸収をよくするために、内服後すぐの飲食を控えます。

理由をきけば、怖い薬とは思わないですよね。
3ヶ月続けて飲むと、骨折のリスクを明らかに下げることが証明されているので
予防医学のためにはなくてはならない薬だと思います。

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湿布のお話

「温しっぷと冷しっぷ、どちらがよいのでしょうか?」

よく、このように聞かれます。

答えは「自分が貼って気持ちよいほう」だと私は思います。
(あくまでも私見です)

温湿布は、別名「温感型湿布」。
トウガラシのエキスが入っていて、貼ったことのある方はおわかりと
思いますが、だんだんとカ~ッとしてきます。患部の血行を促進させる
働きがあります。湿布によってはそれに痛み止めの成分も加わって
いて、鎮痛効果も期待できます。
ただし、患部の皮膚温自体は温湿布でも上げる効果はありません
ので、それを期待するならばカイロや蒸しタオルなどがよいでしょう。

そして汗をかいたり剥がした直後に入浴すると、皮膚にヒリヒリと
した刺激を感じてしまうのも、この温湿布の特徴です。

冷湿布は、名前のとおり患部を冷やす効果があります。
最近の湿布は病院で処方されるものも市販のものも痛み止めが
入っているものが多く、これも鎮痛効果を期待できます。

一般的には温湿布→慢性の痛みに、冷湿布→急性期の痛み、または
けがの直後に、という認識が高いかとは思いますが、湿布こそ
個人個人との相性がとても出るものかと思います。

かぶれやすい、刺激を感じやすい、貼りつきすぎる、逆に剥がれやすい、
貼ったときの感じ方は人それぞれです。

いつもは温湿布を使っている方でも、これからの季節は冷湿布の
ほうがよいということも多いと思います。

いずれにせよ、貼って気持ちよい、と感じればそれでOKなのです。
逆に湿布はどれを貼っても効果を感じない、好きではないというときは
貼る必要はないと思います。

自分はとても寒がりで、冷湿布を貼るとぞくぞくしてしまう、でも
温湿布は貼れない、という方、肘やひざなど曲げ伸ばしの多い関節など
にはテープ型のものが使いやすいのではないでしょうか。

どの湿布を使う場合でも、24時間貼りっぱなしにはせず、皮膚に風を
あてる時間を作ること。でないとかぶれてしまいます。

また、万が一かぶれてしまった場合、剥がして様子をみていただき、
なかなか炎症が落ち着かないようならば、一度処方した医師、または
購入した薬局の薬剤師にご相談になるとよいかと思います。
ただのかぶれではなく、湿布のなかに含まれる有効成分のアレルギー
の場合もありますので・・・

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